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ブライダルプロデューサー 藤田徳子の幸せ会議(BRIDAL PRODUCER NORIKO'S NOTE)

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讃岐(香川県)の婚礼 風習② 「仏様参り(ほとけさま まいり)式」

讃岐(香川県)には、地域特有に

古くから伝わる婚礼の風習があります。


今回はそのひとつ 「仏様参り(おとけさま まいり)式」

をご紹介します。


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「仏様参り(おとけさま まいり)式」は、

花嫁が嫁ぎ先の一員にさせていただくご挨拶を

家族だけでなく、ご先祖様にもする風習です。


今も、讃岐では、このように儀式を重んじる風習が

数多く残っています。

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挙式を控えた花嫁は、
着付けやヘアメイクを担当する美容師を招いて
実家で花嫁支度を整えます。

※私たちブライダルプロデューサーも
 花嫁のご実家に出向きます。

 この時間に花嫁さんの当日のご体調や最終的な確認事項などを
 お話しさせていただくようにしています。


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花嫁支度の出来上がった様子を
ご家族やご親族が喜んでいらっしゃいます。

結婚式場の支度室で花嫁支度をする場合には、
花嫁側のご親族は、新郎側に気遣うあまり
花嫁支度の場にお出ましいただくことを
遠慮されがちです。

しかし、ご実家での花嫁支度となれば、
新郎様に遠慮することもなく、
嫁ぐ花嫁に身近に声を掛ける機会になります。


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支度を整えた花嫁は、家族に挨拶した後、
花嫁を見に来てくれたご近所お子さんたちに『花嫁菓子』を配ります。

『花嫁菓子』は、
綺麗に支度のできた花嫁さんや、
嫁ぎ先に持ち込む花嫁道具を見に来てくれたご近所の皆さんや
ご親族の皆さんに対して
近所の店屋さんで買ったお菓子や自宅で作ったお菓子などを
心ばかりと、渡していたことが、始まりと言われています。

今では、香川県や徳島県、愛知県などに残る風習です。


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花嫁支度を見届けたご家族やご親族、
そしてわざわざ駆けつけてくれたご近所の皆様に
ご挨拶をした花嫁は、
「寿」マークの施された
花嫁タクシー(ブライダルカー)に乗り込みます。

Q:
 なぜ花嫁タクシー(ブライダルカー)には
 「寿」マークが施されているのでしょうか?

A:
 対向車に「この車には花嫁が乗っています」ということを
 知らせるためです。
 花嫁の乗った車は、絶対に後戻りをしてはなりません。
 後戻りは、花嫁の『出戻り』を連想させ、縁起がよくないからです。
 そこで、花嫁の乗った車の進行を優先させてもらえるように
 対向車に知らす必要があるのです。

 昔、「寿」マークがタクシーに施されていない頃は、
 対向車に行く手を優先してもらうために、
 同乗者(大抵は花嫁の母親)が、ご祝儀袋を対向車に
 渡していました。


花嫁タクシー(ブライダルカー)は、
後部座席の天井部分が開閉するようになっています。

綿帽子や角隠しをつけた花嫁さんが
乗り降りしやすいようになっています。




mt0105.jpg

新郎の実家に到着をした花嫁は、
ご家族への挨拶は後回しにし、
まずは、新郎と共にお仏壇に手を合わします。
「仏様参り(おとけさま まいり)式」です。

自身がこの家族の一員になることのお許しをご先祖様に乞うのです。


mt0070.jpg

「仏様参り(おとけさま まいり)式」
を終えた花嫁の表情は、安堵に満ちています。

仏様からお祝いのお言葉を頂戴できたのでしょうか?

この家の一員となると固く決意をした瞬間ですね。
安心しきった花嫁は、本当にきれいです。


mt0144.jpg

ご先祖様へのご挨拶を終えた、新郎と花嫁。
良いお写真になりました。

昔の婚礼写真を見ると、
このシチュエーションが多くないでしょうか?

今のように、写真屋さんのバックスクリーン前で
照明がセッティングされた中で撮影されているものは
ないと思います。

実は、この瞬間なのです。
花嫁が、新郎のご実家に出向き、ご先祖様への
挨拶を終え、晴れて『夫婦』になった瞬間のお写真なのです。


この後、讃岐(香川県)では

「同業(同行 どうぎょう)式」を行います。

その後、新郎と共に挙式に向かいます。

※注)「同業(行)式」も
     讃岐に古くから伝わる婚礼の風習です。


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私は、ブライダルプロデューサーとして創業し15年くらいに
なります。

ブライダルプロデューサーを始めた頃、
讃岐(香川県)には、古くから伝わる婚礼の風習が
現代にもたくさん受け継がれていることに
驚きました。

一方で、
当時まだ若かった私はその風習やしきたりに対して
知識や経験が乏しかったため
文献を紐解いたりしながら、
学んでいこうと試みました。

ところが、
これだけ素晴らしい風習が数多く残っているにも
関わらず、
情報として集約されている適当なものが見当たりませんでした。

地域の年配者に尋ねて歩くか、
当時現役でいらしゃった婚礼業界の重鎮の方々に
教えを乞うことだけが頼みでした。

お客様のご両親様や祖父母様に
教えていただくことこそ、
実践ではとても役に立った覚えもたくさんございます。


モノがあふれたこの時代、
今一度、地域に伝わる風習やしきたりを見つめなおすことが
大事だと思います。
 
******************

讃岐の婚礼 風習として、その他にも

「出立ち(でだち)式」

「同業(行)式」

などもあります。


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※尚、これらは、私藤田が、独自に集めた情報です。
 讃岐(香川県)内でも、地域によって異なる場合もあります。
 どうかご容赦くださいませ。

 また私の及ばない情報もあるかと思います。
 皆様からもご教示いただきたいと思います。
 どうぞお寄せください。

関連タグ:ふるさとウエディング 風習しきたり

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